お役立ちコラム
自律神経失調の新しい治療法~ペイン&リリース療法(PRT)~
神経内科
自律神経失調の新しい治療法
~ペイン&リリース療法(PRT)~
先日のコラムで、自律神経失調症には「メリハリ」が必要であると述べました。「メリ(減り)」で副交感神経を、「ハリ(張り)」で交感神経を元気にするのです。大切なのは、どちらか一方に偏らないことで、まさにメリハリが大切なのです。この原理を応用してペイン&リリース療法(PRT)を開発しましたので紹介します。
PRTでは、まず刺激(ペイン)によりメリハリの「ハリ」を加えます。その後休息してもらい、メリハリの「メリ」に入るのです。その結果、副交感が元気になっていきます。元気のない副交感神経を活性化するのが自律神経治療の最大の目標です。
PRTの原理は「嫌なもの反射」です。刺激(ペイン)を受けると、刺激から身を守ろうと交感神経が活発になります。痛み刺激との戦いになるわけです。
戦いが済んだら、戦場の修復作業をしっかりやらなければなりません。副交感神経が働き出すのです。それまで弱っていた副交感神経が交感神経に引っ張り出される格好で元気になっていきます。
ペインからリリース(解放)する時は、出来るだけリラックスしてもらうことが大切です。
そうしているうちに、引っ張り出された副交感神経が活動し始めます(図1)。副交感神経が働き出し、血管拡張、血圧低下、筋肉弛緩などのリラックス反応が起きます。
PRTでどうなる?
【図1】
なかなか難しい理論ですが、ポイントはまずはストレスから負荷することです。はじめからリラックスに終始するより、アクセントをつけて反動で副交感神経を呼び起こすアプローチがPRTです。
PRTを受けた直後、副交感神経の数値が改善することが多くみられます。しかし時間が経過するうちに、また副交感神経は低下していってしまいます。副交感神経を修復するのには時間がかかります。PRTを繰り返し行い(10回~20回)治療が軌道に乗ると、次第に副交感神経の数値が安定していき、治療前後の変動が小さくなります。治療前の副交感神経値が正常値まで到達したらPRT終了です(図2)。後は、自律神経失調症に陥った以前のライフスタイルに戻らないよう、気をつけていれば大丈夫です。
【図2】
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